Topics & Tips

最新記事

月別アーカイブ

2015年3月20日

バベシア症

赤血球に規制するバベシア原虫によって赤血球が破壊され、貧血が進んでいき、症状が重い場合、死亡することもある病気です。また、症状が落ち着いても、再発することがあります。主に犬での発症がよく見られます。
【原因】
バベシア原虫を体内に持つマダニが吸血する際に、原虫が犬の血液中に入り込み、赤血球に寄生して、増えていく度にどんどん赤血球を破壊していき、貧血や黄疸などの症状を引き起こします。
【症状】
発熱、嘔吐、運動を嫌がる、元気や食欲がなくなる等、様々な症状から始まります。赤血球が壊されるので、貧血して歯茎などが白っぽくなったり、呼吸が速くなったりシます。また、黄疸によって尿の色が濃くなり、耳の内側や歯茎、白眼の部分等が黄色みを帯びてきます。血液検査では特徴的に、ALPの値が上昇し、貧血が見られます。赤血球の上にバベシア原虫が寄生している塗抹像が確認出来ると確定診断できますが、確認できない場合でも、症状などからその他の考えられる病気とともに、バベシア症である可能性も考慮に入れて、治療を進めていきます。
【治療】
バベシア原虫を有効かつ安全に駆虫する治療方法は、残念ながら、まだはっきりとは確立されていません。症状や状態によって、何通りかの治療方法がありますが、基本的には以下に準じます。通院での治療では持続的な薬剤や輸液の投与・維持が難しい時には入院での治療を行います。
・ダニが寄生している場合は、ダニの駆虫を行います。
・バベシア原虫に有効な抗生剤などで原虫を抑制します。
・貧血や肝障害に対して、造血剤や強肝剤、胃腸薬などを投与したり、輸液をします。強度の貧血の場合は輸血を行うこともあります。
・嘔吐がなければ強制給餌を行うこともあります。
同じような症状で、同じような治療を行っても、治療に対する反応はまちまちで、速く回復する例もあれば、治療の甲斐なく死亡する例もあります。
【予防】
ダニが寄生しないように、皮膚滴下式や飲み薬等の予防駆虫薬を、ダニが活動する期間中、忘れずに投与する事が何よりの予防になります。